13. 相(事象局面)

koc1
今回は前回の続きみたいなものです。ソラ、相って分かる?アスペクトとも言うけど。

sor3
んー……

koc4
まあそんな感じか。

ロジバンで相といえば、「事象がどの段階・局面にあるのか」 を示すものと思ってくれたらいいよ。

たとえば、ランニングを考えてみよう:

「ランニング」という出来事はいくつかの局面の一連として捉えられるでしょ?ロジバンの相はまさに「出来事がどの局面にあるか」を表すんだよ。

sor1
なるほどね。「リンゴを食べること」なら、

って感じかな?

koc5
そんな感じ。さて、その肝心の相の表し方ですが、なんと!間制とほとんど同じです!

つまり、相のタグがあって、それを述語の前に貼り付ける感じです。なので、ロジバンでは相のことを相制とも言います。

主要なものを挙げるね。

pu'o
相制タグ。未然や将然を表す。「しようとしている」「するところだ」
co'a
相制タグ。開始を表す。「しはじめる」
ca'o
相制タグ。最中や進行を表す。「している」「最中」
co'u
相制タグ。終了を表す。「し終わる」「するのをやめる」
mo'u
相制タグ。完了時点を表す。「し終わる」「完了する」
ba'o
相制タグ。事後を表す。「既にし終わっている」

sor2
なるほど、確かに前回の続きだね。じゃあ、私の言ったのは…

になるかな?どう?合ってる?

koc5
合ってるよ。間制と相制を組み合わせるときは、時制の後ろ にいいます。

では、久々のロジバン作文いってみよう!

sipna
x1 は寝ている
pinxe
x1 は x2 (液体)を x3 (容器/起源)から飲む
rirxe
x1 は x2 (土地)の x3 (流域)が x4 (河口)に流れる河川
djacu
x1 は水
melbi
x1 は x2 (審美者)にとって x3 (性質)・ x4 (審美基準)において美しい/ハンサム/かわいい
cipni
x1 は x2 (種類)のトリ
cliva
x1 は x2 から x3 (経路)によって離れる/発つ/別れる/去る
jmive
x1 は x2 (観点/基準)において生きている

sor1

      1. は分かったよ。書くね。
  1. la .soran. ca pu’o sipna
  2. la .kocon. ca’o pinxe lo djacu lo rirxe
  3. le melbi cipni pu zu ba’o cliva

4は「あそこの」が分かんなかった。こんなの習ったっけ?

koc1
教えてないけど教えてます!「遠くで男だ」(≒「遠くに男がいる」)は {vu nanmu}でしょ?
これを {lo} と {ku} で囲んだら…?

sor2
「遠くで男であるようなもの」。ほうほう! {lo vu nanmu ku} で「あそこの男」になるね!

じゃあ 4. はこうだね?

4. lo vu nanmu pu zi co’u jmive

koc5
正解。そういえば何も言ってなかったけど、終止詞の省略も安全にできてるね。

述語の前に間制タグや相制タグがあると、これらが {cu} のような役目をしてくれるんだよ。

sor1
というと、タグがついた述語は tanruの部品にならないってこと?「不意のtanru化」が起こらないわけだし。

koc1
そういうこと。タグは、いわば述語の最後の仕上げみたいなものだね。もちろん、tanru全体の頭にタグをつけることはできるよ。

sor2
その完成品は述語として使えるわけだから、さっきみたいに lo .. ku で囲んで、項として使えるようにすることもできるというわけか。


○×問題

  1. ロジバンでは、相はかなり特殊な方法で表現し、間制の文法と大きく異なっている。
  2. 相制タグをつけるときは必ず間制タグがなければならない。
  3. 相制タグは間制タグと同様、任意の文法要素であり、必ずしも明示しなくてもよい。

-/-問正解!


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