5. 述語に慣れる
さて、「ネコの町」と言われているラチュマチャド(latcmatcad)にやってきました!
おー!猫が!い!ない…
あれ、おかしいね。会議中なのかな…
じゃあ今のうちに {.i}と{zo’e}についてやろうかな。
- .i
- 文の区切り・始まりを表す
- zo'e
- 不特定/非明示項。文脈上明らかだったり、差し当たり重要でないようなものを指示する。「何か」
ロジバンでは文と文の間に .i と言って文の始まりを明示します。日本語や英語でいう句点やピリオドの逆バージョンだね。
- .i ti blabi .i tu xekri
- これは白い。あれは黒い。
- blabi
- x1 は白い
- xekri
- x1 は黒い
でもさっきまで .i なんてどこにも出てきてなかったよ?
単文だったからね。話し始めや単文のときは .i を言わなくても大丈夫。付けてた方が無難だけど。
ふむふむ。「文の区切りには .i を打つ」と。
… zo’eはこの前もやったよね。
そうそう。今回はzo’eに関するライフハックを。ずばり、
文末のzo’eや、述語より前のx1に入るzo’eは書かなくていい
逆に言えば、「埋まってないようにみえる「何」の部分にはzo’eがいる」だね。
あ!ネコいた!ネコ!ほら!
え?あ、ほんとだ!ネコーー!
よし、このことをロジバンで言おう。
- mlatu
- x1 は x2(種類)のネコ科動物
- mlatu = zo’e mlatu zo’e
- 猫だ。
mlatuの前のzo’eはx1に入るzo’eだから書かなくてよし。
さらに文末のzo’eも書かなくていいから、{zo’e mlatu zo’e}は単に{mlatu}で表せるんだね。模式図を書けば、
zo’e [述語] [項] [項] zo’e zo’e zo’e zo’e … = [述語] [項] [項]
って感じ。もちろん、文末にないzo’eは省略できないから注意してね。
[述語] [項] zo’e [項] ≠ [述語] [項] [項]
mlatu .i mlatu .i mlatu .i mlatu .i mlatu …
どんどんやってきたね…。
じゃあ、ネコたちの会議も終わったことだし、散策しながらロジバン作文やってみよっか。必要な語句は全部教えてあげるから、単に並べるだけだね。
作文に慣れるのが今回の目標なので、ペンと紙を用意して、ソラと一緒に作文してみてね。
何を入れたらいいか分からないところはとりあえず zo’e を入れておこう。(そして、そのzo’eが文末にあるなら省略できるよ)
1) 私はラチュマチャドにいる。
- zvati
- x1 は x2(所)にいる
mi = 私
la .latcmatcad. = ラチュマチャド(と呼ばれているもの/ところ/人)
2) ソラはラチュマチャドにこの車で行く。
- klama
- x1 は x2(目標点)へ x3(起点)から x4 を経由して x5(手段)で行く/来る
la .soran. = ソラ(と呼ばれているもの)
lo vi karce ku = この車
3) コションは、ソラがラチュマチャドにいることを知っている。
- djuno
- x1 は x2(命題)が真であると x3(題目)について x4 (認識体系)で知っている
la .kocon. = コション(と呼ばれているもの)
lo du'u la .soran. zvati la .latcmatcad. kei ku = ソラがラチュマチャドにいるということ(命題)
4) 私は歩くのが好きだ。
- nelci
- x1 は x2 が好きだ
- cadzu
- x1 は x2 を x3 (肢)で歩く
lo nu cadzu kei ku = 歩くこと
5) たくさんの猫が寝ている。
- sipna
- x1 は寝ている
lo so'i mlatu ku = たくさんの猫
6) 私はあなたにラチュマチャドで会えて嬉しい。
- penmi
- x1 は x2 と x3(所)で会う
- gleki
- x1 は x2(事) について嬉しく思う/幸せに思う
do = あなた
lo nu [文] kei ku = [文]という出来事
7) 私たちは疲れている。なので、珈琲か紅茶を飲む。
- tatpi
- x1 は x2(事)のせいで疲れている
- pinxe
- x1 は x2 を x3(容器)から飲む
mi'o = 私たち(私とあなた)
.i se ki'u bo = なので(注:文区切りの{.i}の代わりに使う)
lo ckafi ku .a lo tcati ku = コーヒーか紅茶
あー!疲れた!アールグレイが美味しい…。
お疲れさま!どう?だんだんコツを掴んできたんじゃない?一応答えを書いておくね。
★答え★([ ]内は省略可能)
- 私はラチュマチャドにいる。
- [.i] mi zvati la .latcmatcad.
- ソラはラチュマチャドにこの車で行く。
- [.i] la .soran. klama la .latcmatcad. zo’e zo’e lo vi karce ku
- コションは、ソラがラチュマチャドにいることを知っている。
- [.i] la .kocon. djuno lo du’u la .soran. zvati la .latcmatcad. kei ku [zo’e] [zo’e]
- 私は歩くのが好きだ。
- [.i] mi nelci lo nu cadzu kei ku
- たくさんの猫が寝ている。
- [.i] lo so’i mlatu ku sipna
- 私はあなたにラチュマチャドで会えて嬉しい。
- [.i] mi gleki lo nu mi(もしくは [zo’e]) penmi do la .latcmatcad. kei ku
- 私たちは疲れている。なので、珈琲か紅茶を飲む。
- [.i] mi’o tatpi .i se ki’u bo mi’o(もしくは [zo’e]) pinxe lo ckafi ku .a lo tcati ku [zo’e]
よし、合ってた。そうだねー。「どうであるか」を考えて、述語を決める。それから、その述語の定義を見て、「穴あき文」(「x1は~」ってやつ)を確認して、それに従って言いたいことが完成するように項を並べる。大体こんな感じだよね。
その通り。「穴あき文」の構造のことを、ロジバンではplace structure って呼ぶよ。直訳すると「位置構造 」。項の位置の意味的な構造ってことだね。みんな略して「PS」って呼んでるよ。
PSかあ。メモメモ。あ、こんな話してたらクレープ食べたくなってきた!クレープ!
うんうん。ピーエスとクレープ…
なんで?
○×問題
- すべてのzo'eは省略することができる。
- 単語 {.i} は、文の終わりを示す。
- 次の図式は正しい:「zo’e [述語] [項] [項] zo’e zo’e = [述語] [項] [項]」
- 次の図式は正しい:「[述語] [項] zo’e [項] = [述語] [項] [項]」
- 今言いたいこととあまり関係のない項の位置には {zo'e} を入れておけばよい。
- 文脈上明らかに「私」であるときでも、{zo'e}でなく{mi}ときちんと言わなければならない。
-/-問正解!