21. 数詞
はじロジも終わりが見えてきました!今回は数詞についてやります。さあ!ソラ!2分やるから覚えなさい!
ええっ!いきなり?!
- pa
- 数詞;1
- re
- 数詞;2
- ci
- 数詞;3
- vo
- 数詞;4
- mu
- 数詞;5
- xa
- 数詞;6
- ze
- 数詞;7
- bi
- 数詞;8
- so
- 数詞;9
- no
- 数詞;0
parecivomuxazebisono パレシヴォムハゼビソノ ぱれしヴぉむはぜびその parɛʃivomuxazɛbisono ……
parecivomuxazebisono パレシヴォムハゼビソノ ぱれしヴぉむはぜびその parɛʃivomuxazɛbisono ……
よし、覚えた!
お疲れ様。口ずさんでて気づいたと思うけど、1~9は母音が a e i o u の順になってます。u は5だけだね。それと、全て1音節だから、リズミカルで覚えやすかったんじゃない?
たしかにね。なんか一回覚えるとなかなか頭から抜けない気がする。
10以上の数字については、その桁を前から読んでいく 形で表します。つまり、大きい数は、基本の 0~9 を組み合わせて表現します。
「10」なら {pano}、「234」なら {recivo}、「2015」なら {renopamu} といった感じだね。
へー。さっきの暗記ってめちゃくちゃ重要だったんだね。
さて、せっかく基本の数詞を覚えたんだし、文の中で使っていこう。大きく分けて、数詞の使い方は2つ!
1つ目は、数詞に冠詞 liをつけて、数字そのものを項として使う方法 です。
- li
- 数冠詞; 数詞の頭について、「~という数字」という意味の項に変換する。
- lo'o
- 終止詞; li の終止詞。ほぼ確実に省略できる。
- li xa pilji li re li ci
- 6は2と3の積だ。
- lo nu le nixli cu limna cu mentu li reno
- その少女が泳いでいたのは20分間だ(≒その少女は20分泳いでいた)。
- lo vi nanba cu grake li sovo
- このパンは94グラムある。
- li so pi’e cimu tcika lo nu mi co’a cikna
- 私が目覚めたのは9時35分だった。
- pilji
- x1 は x2 ・ x3 を乗算したもの
- limna
- x1 は x2 (液体)中を泳ぐ/水泳する
- mentu
- x1 は x2 (数)分の時間間隔、 x3 (基準)において
- nanba
- x1 は x2 (種類/原料/穀物)のパン
- grake
- x1 は x2 (数)・ x3 (基準)のグラム
- tcika
- x1 (時/分/秒)は x2 (事)の、 x3 (日)・ x4 (所)における時刻
- cikna
- x1 は目覚めている
tcikaの文の pi’e ってのは何なの?
えっと、時刻表現 “9:35:40” のコロンみたいなものだと思ってくれたらいいよ。
年月日のハイフンやスラッシュ(2015/7/10とか2016-9-7)のような、数の分離記号 です。技術的な話になるので、深くは触れません。
- pi'e
- 数分離:数の分離を示す; もっぱら時分秒や年月日を表すのに用いる
数詞にはもうひとつ、項(sumti)の指示対象の個数を表す 使い方があります。
いくつか方法はあるんだけど、最もよく使われる(かつ、安全な)のは、冠詞(lo/le)と述なれ語の間に数詞を置く 方法です。
[冠詞] [数詞] [述なれ語] = 「~個の○○」- lo mu verba cu kelci lo re bolci
- 5人の子どもは2つのボールで遊ぶ。
- mi denpa lo nu viska lo ci cmana kei ne’i lo trene
- 私は電車の中で、3つの山が見えるのを待った。
- kelci
- x1 は x2 (道具/方法)で遊ぶ
- bolci
- x1 は x2 (素材)の球体/ボール
- denpa
- x1 は x2 (事)を x3 (状態)ながら待つ、 x4 (事)の開始以前/再開以前に
- viska
- x1 は x2 を x3 (状態条件)のもと視覚する; x1 には x2 が見える
- cmana
- x1 は x2 から突き出ている山
- trene
- x1 は車両 x2 (群れ)・線路網/軌道 x3 ・原動力 x4 の列車/鉄道/電車/汽車/地下鉄
- ne'i
- 空間制タグ; 内部 「~の中に/内側で」
ちょっと発展事項だけど、制限的関係句節がku前にあるとき、冠詞後の数詞は 関係句節も満たすものの数を表します。
一方で、制限的関係句節がku後にあるとき、その冠詞後の数詞は 関係句節で制限する前のものの数を表します。
- bevri lo ci patxu poi ke’a kargu
- 3つの高級な壺を運ぶ。(高級な壺は3つ)
- bevri lo ci patxu ku poi ke’a kargu
- 3つの壺のうち、高級なものを運ぶ。(高級な壺は3つ以下)
- ko dunda lo pano ckiku ku pe mi
- 10個の鍵のうち私のものをください。
- bevri
- x1 は x2 (荷)を x3 (終点)に x4 (始点)から x5 (道筋)を通って運ぶ
- patxu
- x1 は x2 (内容)・ x3 (素材)の壷/鉢/かめ/やかん/ポット
- kargu
- x1 (物/性質/事)は x2 (者)・ x3 (基準)にとって高価/高額/高級
- ckiku
- x1 は x2 (錠)・ x3 (特性)の鍵
ふむふむ。ところで、ti とか do の指示対象の個数を言うにはどうすれば? さっきの方法では無理だよね。
たしかにね。色々方法はありそうだけど、一番無難なのはmeiを使う方法かな。
[数] mei で「x1 は [数] 個だ」という意味の述なれ語になるから、これを関係句節と併用すると表現できるよ。
- mei
- MOI類;頭に数詞を取り込んで、「x1 は [数]個だ」というPSの述なれ語になる
- ti noi ze mei cu manci bolci
- 7つのこれらは不思議な玉だ。
- manci
- x1 は x2 に畏敬の念を感じる/驚嘆する; x1 は x2 を摩訶不思議に思う
これは色々使えそうな単語だ。
ここまでで、基本となる数(0~9)とその複合数(10~)、そしてそれらの使い方を学びました。
実は、ロジバンの数詞の範囲は、日本語の数詞の範囲よりもずっとずっと広いの。数表現に関わる記号(小数点など)や、曖昧に数量を表す記号(ちょっと、たくさん)もロジバンの数詞に該当します。
さっき出てきた 数分離記号 pi’e も実は数詞の1種です。
文法上は全部同じってことは、これらも li で冠したり、冠詞の後に置いたり、meiの頭に置いたりできるってこと?
その通り。1つ理解すれば様々な応用ができるのはロジバンのおもしろいところだね。
時間も押してきてるので、よく使うであろう数詞たちを3グループに分けて簡単に紹介します。
- pi
- 数詞:小数点を表す。piの前に数字が無い場合、0が想定される。
- ki'o
- 数詞:数カンマ。3桁ずつの区切り点を表す。前に数字がない場合は1が、後に数字が3つ無い場合は0が想定される。
- li papimu sumji li pa li pimu
- 1.5 は 1 と 0.5 の和だ。
- li reki’opamu sumji li ki’o li ki’opamu
- 2,015 は 1,000 と 1,015 の和だ。
- le lunra cu grake li zeci ki’o vozexa ki’o zecino ki’o ki’o ki’o ki’o ki’o ki’o
- 月は73,476,730,000,000,000,000,000,000(7.347673×10^25)グラムある。
- lunra
- x1 は地球の月; x1 は x2 の主要衛星
- ro
- 数詞:すべて
- so'a
- 数詞:ほぼすべて
- so'e
- 数詞:ほとんど
- so'i
- 数詞:たくさん
- so'o
- 数詞:いくつか
- so'u
- 数詞:少し
- lo so’a cipni cu vofli
- ほぼすべての鳥が飛ぶ。
- lo ro prenu cu prami le pa nixli
- すべての人がその1人の少女を愛している。
- vofli
- x1 は x2 (原動力)で飛ぶ/飛行する
- su'e
- 数詞:以下; su'e [数] で「[数]以下」「多くとも[数]」を表す。数詞がなければ 1 が想定される。
- su'o
- 数詞:以上; su'o [数] で「[数]以上」「少なくとも[数]」を表す。数詞がなければ 1 が想定される。
- za'u
- 数詞:超過; za'u [数] で「[数]より多い」を表す。数詞がなければ 1 が想定される。
- me'i
- 数詞:未満; me'i [数] で「[数]より少ない」「[数]未満」を表す。数詞がなければ 1 が想定される。
- le nanmu cu speni lo su’o bi ninmu
- その男は8人以上の女と結婚している。
- ko zbasu lo jufra be fi lo lojbo lo za’u mu valsi
- 5語より多くの単語からロジバンの文を作りなさい。
- speni
- x1 は x2 と結婚している/の配偶者、 x3 (法律/規則/慣習)のもと
- zbasu
- x1 は x2 を x3 (素材)から造る/作る/工作する
- jufra
- x1 (文字列)は x2 (題目)の、 x3 (言語)における文
- valsi
- x1 は x2 (意味/効力)を有する、 x3 (言語)の言葉/語彙
- xo
- 数詞疑問:数詞の代わりに置いて疑問表現を作る。答えるには、当てはまる数詞を言う。
- lo xo prenu cu klama ti ― .i mu
- 何人の人がここに来ますか ― 5。
- do pendo lo xo prenu ― .i su’e pano
- あなたは何人の人と友達ですか ― 多くとも10人。
ううむ…今回は史上最多の単語数な気がするぞ…!
数詞がそもそもたくさんあるからね…。あと、もう粗方ロジバン文法をやっちゃったので、覚えていく作業がほとんどなんだよね。
うーん、やはり最後は語彙力か…。
言いたいことを言えるようになるくらいまで習得するなら、やっぱり語彙の壁は避けられないね。
とりあえず、数詞を使えばどんなことが表現できるかというのを理解して、単語を覚えるのは後でやるというスタンスでもいいかもね。
多分それすると絶対覚えなくなるから、今のうちに覚えとくよ。
それが賢いかもね。
○×問題
- 1560 は {pavomuno} である。
- 数詞はそのままで項として使える。
- 項の指示対象の数を示すために数詞を使う場合は、冠詞(lo/le)の直後に数詞を置くか、meiを用いる。
- mei の頭に数詞をつけた句は、述語として使えるので、tanru の部品としても使える。
- 「少なくとも1人の男」というとき、{lo su'o pa nanmu}でも{lo su'o nanmu}でもよい。
- 1000.5 は {panononopimu} でも {ki'opimu}でもよい。
- 時分秒や年月日の数分離に使う記号(:, /, -など)としてロジバンでは pi'e がある。
-/-問正解!