20. 縛位詞(BE, BEI類)

koc2
今回は、述語の表現力を広げつつも、実用上は項の表現力を広げたいと思います!

sor3
ん?!デジャヴだ!確か8章の『転換(SE類)』でも同じこと言ってたよね。

koc4
だね。まあだから事の流れは経験済みでしょ?早速やっていこう。

「縛位詞」というのははじロジオリジナルの用語です。「位置を束縛する語」という意味で名付けました。

sor1
位置ってのは多分 PS の位置のことだよね。それを「束縛する」ってこと?

koc1
例を出して説明するよ。

sor3
この期に及んでこんな初歩的な…。述語は {citka} でしょ? PSは「x1 は x2 を食べる」。

koc1
まあ、簡単だよね。そう、{citka}というのは項を埋める穴が2つある述なれ語なわけです。

そこで、{citka}の位置を1つ埋めた、こんなPSをもつ述なれ句を作ってみようと考えます。

sor5
まあ、あんまり使い道のなさそうなPSではありそうだけども…。

あれでしょ? これに冠詞をつけたら「リンゴを食べる者」っていう項が作れるから表現がめっちゃ広がるっていう…

koc6
ああっ、分かってるだろうけどまだ言っちゃダメ!

おほん、ともかく、{citka} から 「x1 はリンゴを食べる」というPSの述なれ語を作ろうというのが今回の話です。bebei を使うよ。

be
直後の項様体を述なれ語に接続して、より限定的なPSをもつ述なれ句を作る。項(sumti)の場合はx2が埋まる。
bei
2個以上の項様体を述なれ語に接続するときに使う。つまり、1個目はbe、2個目以降はbeiを使う。
be'o
終止詞;be, bei の構造を閉じる。
項様体
{sumsmi}の訳語。sumti や タグ付きsumti、タグ ku、FA kuといった、項(sumti)のような語句のこと。

koc1
これを使って、さっきのPSをもった述なれ句を作ってみるとこうなります。

citka be lo plise : x1 はリンゴを食べる

sor7
で、これに冠詞つけると{lo citka be lo plise}「リンゴを食べる人」になるから表現力がめっちゃ上がるね!って話だよね。

koc4
はい、そういうことです…。be と bei はもっぱら冠詞をつける述なれ語にしか使われません。

bei で項(sumti)をどんどん繋げていくと、x3, x4, x5 と順に埋まっていく(PSを縛っていく)ことになります。

また、be や bei の後ろにタグ付き項などを置くこともできます。

PSの置を項(様体)でっていくのに使うから、縛位詞!

klaji
x1 は x2 (所)における、 x3 につながる街路/通り/回廊
ckule
x1 は x2 (所)で x3 (科目)を x4 (聴衆)に教える、 x5 (者)によって営まれている教育機関/学習施設
pencu
x1 は x2 (対象本体)・ x3 (対象箇所)を x4 で触る
nenri
x1 は x2 の中(にある); x1 は内部/内側; x2 は x1 を内蔵する
tanxe
x1 は x2 (内容)・ x3 (素材)の箱/カートン
pelji
x1 は x2 (資源)の紙

sor1
ところで、2個目以降は bei を使うのはどうしてなの?

koc1
んー、端的に言えば、「構文上の問題が生じるため」かな。

たとえば、上の例文の3つ目では、{nenri be [lo tanxe be fi lo pelji]} ってなってるよね。

1個目の接続は必ず be だから、こうやって構文が1通りに取れるけど、
もし2個目以降も be を使うことにしたら、{fi lo pelji} が {nenri} のものなのか {tanxe} のものなのか分からなくなるよね。

sor2
あー、なるほどね。そういえばロジバンって構文が1通りに定まるように作ってるんだっけね。忘れてたよ。

koc5
よくできてるよね。

ちなみに、縛位詞で縛った述なれ句ももちろん tanru の部品として使えます。場合によっては終止詞 be’o を省略できないときもあるから注意してね。

下の例文は、同じ内容を今までに学んだ色んな表現で書いてみたものだよ。

dinju
x1 は x2 (目的)のための建造物
lumci
x1 は x2 の汚れ x3 を洗浄剤/用具 x4 で洗う
minji
x1 は x2 (機能/用途)の機械

sor2
なるほど。tanruの部品として使うと、より具体的な意味のtanruが作れるんだね。かなり役立ちそうだね、縛位詞。


○×問題

  1. 縛位詞を使った述なれ句は文のselbriにはあまり使われないが、sumti化する述なれ句にかなり使われる。
  2. be に続く項(sumti)は接続した述なれ語の x2 を埋める。
  3. 2個以上の項様体を繋ぐときのために bei が用意されているが、別に be を使ってもよい。
  4. lo [selbri] = zo'e noi ke'a [selbri] を踏まえると、lo klama be tu bei ti は zo'e noi ke'a klama tu ti とほぼ同意である。

-/-問正解!


今回出てきた単語